なぜ制作会社に依存してしまうのか。本当に考えるべきことは何でしょうか?
① よくある「行き詰まり」の正体
ホームページについて、何か内容を変更したいと思ったとします。
しかし、
- 自分たちの手では何も動かすことができない
例えば、
- 文言を新しく更新したい
- 新しいページを1ページ追加したい
- お問い合わせフォームの項目を変更したい
- ドメインの契約状況を確認したい
そんな時、まずは何よりも先に制作会社へ連絡する。 気づけば、ホームページに関することはどんな小さなことでも、すべて制作会社頼みになってはいませんか?
② 「今のままで大丈夫」という思い込み
多くの方はこのように考えます。 「ホームページは専門的な世界だから、自分たちにできなくても仕方がない」 あるいは、「自分はITに詳しくないけれど、制作会社はプロで詳しい。だから全部任せるのが普通だ」という認識です。
プロに丸投げしている今の状態こそが、当たり前の姿だと思われています。
③ 立ち止まって考えてみましょう
しかし、ここで一つ身近な例で考えてみてください。 マイカー(車)を持っている人は、エンジンの仕組みが分からず自分で分解できなくても、
- 自分の車の鍵は手元に持っている
- 次の車検がいつなのか時期を知っている
- 自分がどんな自動車保険に入っているかを把握している
ということがほとんどですよね。
では、ホームページの場合はどうでしょうか。 車の例とは違って、自分たちのドメイン(◯◯.comなど)の契約者が誰なのか、管理画面のパスワードがどこにあるのかすら把握していないケースが、実は少なくありません。一体なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。
④ 知っておきたい「本当の仕組み」
実は、制作会社への「依存」というのは、専門知識の量に差があるから生まれるのではありません。 本当の原因は、「管理するための情報が、片方にだけ偏っていること(情報の非対称性)」から生まれます。
例えば、関係性には次のような明確な構造の違いがあります。
【健全な依頼関係】
- 運営者:現状を知った上で、どうするかを「判断する」
- 制作会社:その判断を受けて、専門技術で「形(実装)にする」
【依存関係】
- 運営者:中身の仕組みや情報が何も「分からない」
- 制作会社:すべての情報を裏で「知っている(握っている)」
ここで重要なのは、プロとアマチュアの技術力の差ではありません。「情報を持っているか持っていないか」という、情報の差なのです。
⑤ ついつい陥りやすい「勘違い」
この段階で生じやすい誤解があります。
それは、
自分は詳しくない ➔ だから制作会社に依存するしかない
と思い込んでしまうことです。
しかし実際には、「詳しくないから『依頼』する」ことと、「詳しくないから『依存』する」ことは、まったく意味が違います。
「依頼」とは、中身を知った上でプロに頼むという、自分たちの意思による「選択」です。 一方、「依存」とは、中身が分からないからプロに頼むしか手がないという、「選択肢が最初から奪われている状態」を指します。
⑥ ここに大きなリスクが隠れています
ここで本当にお伝えしたいのは、「丸投げさせている制作会社が悪い」というお話ではありません。 むしろ、ほとんどの制作会社は、頼まれた業務をごく普通に、誠実にこなしてくれています。
しかし、自分たちが「依存構造」のままでいると、次のような不測の事態が起きたときに一気にリスクが表面化します。
- 制作会社の担当者が急に退職してしまった
- 制作会社そのものが廃業してしまった
- 突然、連絡が取れなくなってしまった
- そもそも、どんな契約内容だったか分からなくなった
このとき、ホームページの運営者であるみなさん自身が、今どういう状況なのかを新しい会社へ説明することすらできなくなってしまいます。 つまり、問題は相手の会社にあるのではなく、「大切な管理情報が自分たちに共有されていない状態」そのものがリスクなのです。
⑦ 「ここ」を見て判断してみよう
では、私たちは何を基準に考えればよいのでしょうか。
ここで見るべきなのは、「制作会社に何回くらい作業を頼んでいるか」という回数ではありません。
本当に見るべきなのは、今のホームページの状況を、「自分たちの言葉で他人に説明できるかどうか」です。
【管理できている状態】
- ドメインの契約者が誰(どの名義)か分かる
- サーバーの契約会社がどこか分かる
- 管理者権限(ログインIDなど)がどこにあるか分かる
- トラブルが起きたときの、連絡や復旧の流れが分かる
【依存してしまっている状態】
- 昔、誰がどこで契約したのかよく分からない
- 手元に管理画面のログイン情報がない
- 制作会社の担当者しか中身を知らない
- 今どうなっているのか、自分たちで説明できない
ここが、依存しているかどうかの明確な判断基準になります。
⑧ ホームページは、今どのようになっていますか?
では、みなさんのホームページはどうでしょうか。
本当に、今の制作会社に完全に依存してしまっている状態でしょうか。 それとも、主導権はこちらが握った上で、単に専門的な作業だけをプロにうまく依頼している状態なのでしょうか。
この二つは、外見はとてもよく似ています。しかし、中身は全く違います。そして、どこからが依存で、どこからが健全な依頼なのかという境界線は、会社や人によってそれぞれ異なります。
⑨ 「ここ」から始めてみませんか?
もし少しでも気になる部分があれば、まずは「制作会社を変えるべきか」と悩む前に、「自分たちが今、ホームページの情報をどれくらい把握できているか」をメモに書き出すことから始めてみてください。
具体的には、次のような項目の情報を整理してみる方法があります。
- ドメインの契約先
- サーバーの契約先
- WordPressなどの管理者情報
- バックアップデータの有無
- SSL証明書(セキュリティの鍵)の状況
- お問い合わせフォームの仕組み
これらを自社で一度整理してみる。あるいは、手元にある管理情報の棚卸し(チェック)をしてみる。もしくは、現在の運用の仕組みをプロに一度客観的に見てもらう、という選択肢もあります。
大切なのは、制作会社を完全に排除して自分たちだけで全部やろうとすることではありません。「ホームページの情報を自分たちできちんと把握し、制作会社を道具として上手に『使える』状態になること」。そこが一番の本質なのです。
この記事に関する、ホームページの「運営構造診断」は、[ホームページ運営構造診断]から実行できます。
19の問に答えると、診断結果が表示されます。
※無料診断レポートは実行後にお問合せからご依頼ください
具体的なご相談は、お問い合わせからどうぞ。