なぜ管理情報は失われるのか。本当に考えるべきことは何でしょうか?
① よくある「行き詰まり」の正体
ホームページの運営や契約を見直そうと思ったことはありませんか?
しかし、いざ見直そうとすると、次のような状況に陥っていることがあります。
- 管理画面のログイン情報が分からない
- ドメインの契約者が誰(どの名義)なのか分からない
- サーバーの契約先がどこなのか分からない
- 社内の誰が本当の管理者なのか分からない
そのため、ホームページを新しくしたり修正したり、何かしようと思っても一歩も動けない状態になってしまいます。
② 「今のままで大丈夫」という思い込み
多くの方はこのように考えがちです。 「これまでの自社の管理体制がずさんだったからだ」 あるいは、「前の担当者の引き継ぎのやり方が悪かったんだ」という認識です。
そして、社内の「誰かのミス」や「個人の責任」として片付けられてしまうことが少なくありません。
③ 立ち止まって考えてみましょう
しかし、ここで一つ冷静になって考えてみてください。 なぜこれと全く同じトラブルが、世の中のこれほど多くの会社で起きてしまうのでしょうか。
もし本当にただの個人的なうっかりミスなのであれば、これほどあちこちの企業で何度も繰り返されるでしょうか。
④ 知っておきたい「本当の仕組み」
実は、ホームページの管理情報は、誰かが意図的に無くそうとして失われるわけではありません。 これらの情報には、「本当に必要なときしか使われない(触らない)」という大きな特徴があります。
例えば、
- ドメインの契約更新 ➔ 年に1回だけ
- サーバーの契約更新 ➔ 年に1回だけ
- SSL(セキュリティ)の更新 ➔ 年に1回だけ
このように、日常の業務ではほとんど触る機会がありません。 すると、その情報は社内の特定の誰か(担当者)へと、時間をかけて自然に集中していくことになります。
担当者 ➔ ひとりで全部知っている 他のスタッフ ➔ 中身を何も知らない
こうしたアンバランスな状態が、特別な悪気がなくても自然に発生してしまうのです。
⑤ ついつい陥りやすい「勘違い」
この段階で生じやすい誤解があります。
それは、
会社のどこかに情報がある = だから管理できている
と思い込んでしまうことです。
しかし実際には、「情報が世界のどこかに存在していること」と、「必要なときにその情報にすぐアクセスできること」は、まったく別のお話です。 例えば、パスワードが書かれた古いメモがどこかの引き出しに残っていたとしても、今それを誰も見つけられないのであれば、実質的には「失われてしまっている」のと同じことなのです。
⑥ ここに大きなリスクが隠れています
ここで本当にお伝えしたいのは、「情報を一極集中させていた担当者を責めましょう」というお話ではありません。 本当に見落とされがちで恐ろしいのは、「大切な情報が『システム』ではなく『人』に完全に紐付いてしまっている状態」そのものです。
例えば、
- 社長しか知らない
- 当時の担当者しか知らない
- 任せきりにしている制作会社しか知らない
このような状態になっていると、その人が退職したり、会社と連絡が取れなくなったりした瞬間に、ホームページのすべての情報が同時に失われたのと同じになってしまいます。
⑦ 「ここ」を見て判断してみよう
では、私たちは何を基準に考えればよいのでしょうか。
ここで確かめるべきなのは、「情報が会社のどこかに眠っているかどうか」ではありません。
本当に見るべきなのは、「その情報をみんなで『共有』できる状態にあるかどうか」です。
【管理できている状態(共有可能)】
- 各種契約情報がいつでも見られるように整理されている
- 誰が管理者なのか役割が明確である
- 別の人が来てもすぐに引き継ぎができる
- 新しい制作会社などの第三者へすぐに現状を説明できる
【管理できていない状態(管理不能)】
- 特定の「あの人」しか中身を知らない
- パスワードなどが口頭でしか伝わっていない
- 過去のメールや書類を大捜索しないと見つからない
- 今どうなっているのか自分たちで説明できない
重要なのは、誰かひとりが情報を「保有」することではなく、組織として「共有」できているかどうかなのです。
⑧ ホームページは、今どのようになっていますか?
では、みなさんのホームページはいかがでしょうか。
大切な管理情報は、今どこかに存在しているのでしょうか。 それとも、存在はしているけれど、みんなで共有されていないだけなのでしょうか。 あるいは、本当に完全に失われてしまっているのでしょうか。
この違いは、今後のホームページ運営にとって意外と大きな分かれ道になります。
⑨ 「ここ」から始めてみませんか?
もし少しでも気になる部分があれば、まずは「何が分からない状態なのか」を具体的に書き出すことから始めてみてください。
例えば、次のような項目のうち、どれが手元にないかをチェックしてみる方法があります。
- ドメインの契約情報
- サーバーの契約情報
- WordPressなどの管理者情報
- SSL証明書の状況
- バックアップデータの有無
- お問い合わせフォームの仕組み
その上で、「これは誰が把握しているのか」を社内で確認してみる。あるいは、手元にある管理情報の棚卸し(チェック)をしてみる、という選択肢もあります。
大切なのは、むやみに新しい情報を増やすことではありません。「必要な人が、必要な時に、いつでもその情報を確認できる状態を作ること」。そこを整えることが、何よりも大切なのです。
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