なぜ人は仕組みを理解しなくなるのか。本当に考えるべきことは何でしょうか?
① よくある「行き詰まり」の正体
ホームページは今日も問題なく動いている。 メールもちゃんと届いているし、お客様からの問い合わせも来ている。
そのため、日々の業務で特に困っていることはありません。
しかし、次のようなことについては、実はよく分かっていないという状態になっていませんか?
- ドメインとは一体何なのか
- サーバーとは何なのか
- SSL(セキュリティ)とは何なのか
- バックアップとは何なのか
- WordPressが裏側でどうやって動いているのか
それでも、毎日の日常業務は何事もなく回っています。
② 「今のままで大丈夫」という思い込み
多くの方はこのように考えます。 「難しいことは専門家に任せておけばいい」 「自分たちが中身を分かっていなくても、動いているなら問題ない」 あるいは、「わざわざホームページの裏側の仕組みまで理解する必要はない」という認識です。
そして、わざわざ自分たちで理解しようとするよりも、外部への「委託(丸投げ)」が選ばれることになります。
③ 立ち止まって考えてみましょう
しかし、ここで一つ立ち止まって考えてみてください。
本当に私たちは、「ホームページの仕組みなんて絶対に理解したくない」と嫌っているのでしょうか。 それとも、普段あまりにも順調に動いているせいで、ただ「理解する必要性」を全く感じなくなってしまっているだけなのでしょうか。
④ 知っておきたい「本当の仕組み」
実は、人はシステムの仕組みそのものが嫌いなわけではありません。 人間は、「知りたい結果(成果)が簡単に得られると、その裏側にある仕組みへの関心を失ってしまう」という性質を持っています。
例えば、部屋の電気をイメージしてみてください。
壁のスイッチを押す ➔ 部屋の電気がつく
このとき、電気をつけるたびにわざわざ「電気工学」の難しい仕組みを勉強しようとする人はいませんよね。
ホームページもこれと全く同じです。
アドレス(URL)を開く ➔ 画面が正しく表示される
これだけで満足できるなら、わざわざその裏側がどうなっているのかを知ろうとはしなくなります。 つまり、記憶から理解が失われるのではなく、日々の便利さによって「理解する必要性そのもの」が失われていくのです。
⑤ ついつい陥りやすい「勘違い」
この段階で生じやすい誤解があります。
それは、
ホームページの仕組みを理解していない = それは運営者の怠慢(さぼり)だ
と責めてしまうことです。
しかし実際には、「日々の業務で困っていないから、あえて難しいことを学習しない」というだけです。これは人間としてごく自然な反応です。 本当の問題は、その「困っていない状態」があまりにも長く続きすぎてしまうことにあります。
⑥ ここに大きなリスクが隠れています
ここで本当にお伝えしたいのは、「全員がプロの技術者やプログラマーになるべきだ」というお話ではありません。 本当に見落とされがちで恐ろしいのは、「仕組みを理解していなくても、何事もなく動いてしまう期間が長すぎること」です。
例えば、この10年間まったくトラブルが起きなかったとすれば、社内の誰もホームページの裏側を見ようとしません。 しかし、いざ突然不具合や障害が起きたその瞬間に、初めて次のようなパニックに陥ります。
「裏側がどうなっているのか、社内の誰も分からない……」
つまり、何事もない平常時の「便利さ」や「快適さ」が、いざという非常時の「大混乱(管理不能)」を生み出してしまう原因になることがあるのです。
⑦ 「ここ」を見て判断してみよう
では、私たちは何を基準に考えればよいのでしょうか。
ここで確かめるべきなのは、「ITの専門知識に詳しいかどうか」ではありません。
本当に見るべきなのは、ホームページの現状を「自分たちの言葉で説明できるかどうか」です。
ここで言う「ホームページを理解している状態」とは、自分でプログラミングをしてシステムを全部作れるということではありません。
- 必要なデータや契約が、今「何がどこにあるか」を説明できる
- それを「誰が管理しているのか」を説明できる
- 万が一、問題が発生したときに「どんな流れで対応するか」を説明できる
大切なのは、専門的な知識を持つことではなく、ホームページ全体の「全体像(マップ)」が頭に入っているかどうかなのです。
⑧ ホームページは、今どのようになっていますか?
では、みなさんのホームページはいかがでしょうか。
あなた自身、どこまでホームページの仕組みを理解する必要があるのでしょうか。 裏側のすべてでしょうか。それとも、ほんの一部だけでしょうか。 あるいは、難しい「理解」まではいかなくても、どこに何があるかという「把握」だけで十分なのでしょうか。
その正しい境界線は、会社の規模や運営する人によってそれぞれ異なります。
⑨ 「ここ」から始めてみませんか?
もし少しでも気になる部分があれば、まずは教科書を買って難しい「技術を学ぶ」ことから始めるのではなく、「自社のホームページの仕組みをノートに書き出す」ことから始めてみてください。
例えば、次のような要素を箇条書きにしてみる方法です。
- ドメイン
- サーバー
- メール
- WordPress
- バックアップ
- 担当している制作会社
これらを書き出してみた上で、それぞれ「今は誰が管理しているのか(自社なのか、制作会社なのか)」を一つずつ整理していきます。
大切なのは、ホームページの専門家になることではありません。「自分たちのホームページの『全体像』をしっかりと把握できている状態を作ること」。そこが出発点なのです。
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