自立した運営とは何か。本当に考えるべきことは何でしょうか?
① よくある「行き詰まり」の正体
ホームページの運営について調べていると、次のような言葉をよく見かけませんか?
- 自社運営(インハウス化)
- 内製化
- 自立運営
- 脱・制作会社依存
しかし、具体的にどういう状態を指すのかは、実際にはよく分かりません。
例えば、
- 自分たちの手で中身を更新できれば、それが「自立」なのか
- 制作会社を一切使わずに運営できれば、それが「自立」なのか
- WordPress(ワードプレス)を使わずに運営できれば、それが「自立」なのか
その明確な定義は、どこか曖昧なままです。
② 「今のままで大丈夫」という思い込み
多くの方はこのように考えがちです。
自立 = すべての作業を自分たちだけでやる
あるいは、
外部に一切外注しない = だから自立している
という認識です。 そのため、ホームページの運営において「自立」することと、他からの助けを借りずに「孤立」してしまうことが、ごちゃごちゃに混同されがちになります。
③ 立ち止まって考えてみましょう
しかし、ここで一つ冷静になって考えてみてください。 会社の法的な問題を解決するために「弁護士」に相談する会社は、弁護士に依存していると言えるでしょうか。 会社の決算のために「税理士」を頼んでいる会社は、自立していないと言えるでしょうか。
おそらく、そんなことはありませんよね。 では、なぜホームページの運営だけは、「すべての作業を自分たちの手だけでやること」が自立だと思われてしまうのでしょうか。
④ 知っておきたい「本当の仕組み」
実は、本当の「自立」とは、難しい専門作業を自分たちの手で行うことではありません。 その本質的な仕組み(構造)は、次のようになっています。
- 【依存している状態】 自分たちでは判断できない ➔ だから誰かに聞く ➔ 言われた通りに従うしかない
- 【自立している状態】 自分たちで判断できる ➔ 必要に応じてプロへ依頼する ➔ その結果を自分たちでしっかりと管理する
つまり、両者の決定的な違いは「誰が手を動かしているか(作業内容)」ではなく、「誰が物事を決めているか(判断の主体)」にあるのです。
⑤ ついつい陥りやすい「勘違い」
この段階で生じやすい誤解があります。
それは、
ホームページの自立 = 何から何まで全部自分たちの手でやるべきだ
という思い込みです。
しかし実際には、本当の自立とは「自分たちの状況に合わせて、必要に応じて他者(プロの専門知識)を上手に活用できること」を指します。 専門外の難しいことまで全部自分たちだけでやろうとする状態は、会社にとってむしろ非効率になってしまうことも少なくありません。
⑥ ここに大きなリスクが隠れています
ここで本当にお伝えしたいのは、「外注(制作会社への依頼)をするのは良くない」というお話ではありません。 本当に見落とされがちで危険なのは、作業だけでなく「どうするかを決める『判断権』まで相手に手放してしまうこと」です。
例えば、
システムを更新すべきか分からない ➔ 制作会社にどうすればいいか聞く ➔ 言われた通りにする
これは完全な「依存」です。
一方で、
自社の状況からシステム更新が必要だと判断する ➔ 制作会社へ作業を依頼する
これは立派な「自立」です。 プロの制作会社に作業を頼むという行動自体は同じでも、その裏側にある仕組み(構造)は180度違っています。
⑦ 「ここ」を見て判断してみよう
では、私たちは何を基準に考えればよいのでしょうか。
ここで確かめるべきなのは、「自分たちの手でどれだけたくさんの作業をこなしているか」という量ではありません。
本当に見るべきなのは、自分たちのホームページが次のどちらの状態にあるかです。
【自立した運営】
- ホームページの現状(仕組みや契約など)を自分たちで説明できる
- IDやパスワードなどの管理情報をしっかりと自社で把握している
- どのような対応方法(選択肢)があるかを理解している
- どうすべきかを自分たちの意志で判断できる
- 必要に応じて、プロへ上手に作業を依頼できる
【依存した運営】
- 今ホームページがどういう状況なのか説明できない
- 制作会社の「あの人」しか中身を知らない
- どのような選択肢があるのか自分たちからは見えない
- どうすべきかの判断まで、すべて相手に丸投げして委ねている
重要なのは、高度な技術力を持っているかどうかではなく、自分たちが主導権を握っているか(主体性)という点なのです。
⑧ ホームページは、今どのようになっていますか?
では、みなさんのホームページはいかがでしょうか。
自立した運営を目指すにあたって、一体どこまでの仕組みを自分たちで把握すれば十分なのでしょうか。 裏側のすべてでしょうか。それとも、重要ないくつかのポイントだけでしょうか。 また、どこから先の専門的な作業をプロ(専門家)へ依頼するべきなのでしょうか。
その正しい境界線は、会社の規模や事業の目的によってそれぞれ異なります。
⑨ 「ここ」から始めてみませんか?
もし少しでも気になる部分があれば、まずは「全部自分でできるようにならなきゃ」と焦る前に、「自分たちで何を判断し、何をプロに依頼するのか」を一度ノートに書き出して、整理してみてください。
例えば、次のような「方針」を自社で話し合って決めてみる方法があります。
- ホームページを置いている「目的」
- 今後の「管理の方針」
- どのくらいの頻度で手を入れるかという「更新の方針」
- 会社として守るべき「セキュリティの方針」
- ホームページにかける「予算」
これらを自社でしっかりと決めた(判断した)上で、実際の難しい組み立て(実装)や日々の運用のサポートを、信頼できるプロへ依頼する。
大切なのは、職人のように全部自分でやることではありません。「自分たちのホームページの未来を、自分たちの意志で選べる状態(構造)を作ること」。そこを目指すことが、何よりも大切なのです。
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